REPORT

首都圏を襲う、超高線量の「黒い物質」Part2

2012年06月04日 08:55:00
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南相馬市役所前で「黒い物質」を指差す大山市議

Part1からの続き

◇南相馬市の市役所前にも「黒い物質」!

「1kgあたり108万ベクレル」の黒い粉が発見された福島県南相馬市。だが、その後の調査で更に深刻な事態が明らかになってきたという。前出の大山市議から連絡を受け、筆者は同市に急行した。「南相馬市鹿島区で最高キロあたり343万ベクレル、横川ダム近くで419万ベクレル、小高区では557万ベクレルもの『黒い物質』が発見されました。福島県内では二本松市でも有志の調査が始まりました。ガイガーカウンター等で計測した感触だと、専門機関で計測すれば500~1000万ベクレルという数値を出すかもしれません」(大山市議)。

大山市議の案内で、南相馬市内を探索する。驚いたことに南相馬市の市役所の敷地内や目の前の道路で、「黒い物質」を発見した。大山市議と私が線量を計測しているそばを、子ども達が半袖半ズボンで、マスクもせずに通りすぎていく。「これが南相馬の現実なのです」と大山市議が顔を歪ませる。「先日、封鎖解除された小高区で入った時、おばあさんが『黒い物質』をチリトリでとって、なんとプランターに入れていました。さらに、黒ずんだバケツの水で窓ふきを始めました。何も知らずにマスクもせずにせっせと家や道路を掃除しているのです。私は、慌てて車を止め、内部被曝の危険性について説明しましたが、わかってもらえませんでした。このままでは 大変な被害が出てしまうでしょう」(大山市議)。

筆者も後日、南相馬市の除染対策課に「黒い物質」が市役所前にあったと電話したが、応対した職員は「何マイクロシーベルトでしたか?その辺の草原でも普通に2~3マイクロは出ますよ」と特に興味を持たない様子だった。後日、筆者が南相馬市役所前で採取した『黒い物質』を検査したところ、やはりkgあたり50万ベクレル超のセシウムが検出された。既に書いたように、ただ空間線量で測るだけでは、『黒い物質』の本当の危険さはわからないのである。


◇「黒い物質」にはストロンチウムやプルトニウムも含まれている?!

「黒い物質」はセシウムだけでなく「ストロンチウムやプルトニウムも吸収している可能性がある」と、大山市議は言う。南相馬市は今年2月、市内で採取したものを、財団法人日本分析センターへ検査を依頼。今年4月26日に市議会に提出された資料によると、検査結果からは、少量ながら、ストロンチウム89、90やプルトニウム238、239が検出された。これに関する資料では「東日本震災前に検出された値を超えない」とされている。だが、大山市議はこう疑問を呈す。「原子力災害現地対策本部が発表した福島県全土の土壌のプルトニウム238の分析結果では南相馬はND(不検出)になっています。それなのに、今回、5検体全てから出ているのはどういうことなのでしょうか?そもそも、市提出の検体は、既に除染された地域で、しかも、雪が続いた後で水分が多く含まれた『薄い』もの。調査は検体の採取からやり直すべきだと思います」(大山市議)。
現在、大山市議は「黒い物質」を専門機関に依頼して、その詳しい分析を続けているという。

Part3に続く

* 本稿は週刊SPA!5/22号(2012年)に掲載した記事の一部に、その後の取材を反映して加筆したものです。
*SPA!記事中では、「黒い粉」、NO!放射能「東京連合こども守る会」石川あや子さんと早川由紀夫教授(群馬大学)は「路傍の土」、大山弘一市議は「黒い藍藻」とそれぞれ異なる表記・呼び方をしていますが、本稿では、「黒い物質」という表記で統一しています。

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